最初の一匹
鎌倉 たい焼き なみへい 濱田紳吾です。
ついに・・・
注文していた
たい焼き用の鋳型が完成しました!!
厨房屋さん用語では、
『たい焼き本職用』
今では”天然物”一丁焼き用の
たい焼き職人も少なくなったので、
焼き台と鋳型も注文から完成まで
しばらく時間がかかります。
本当は、なみへいオリジナルの鋳型を
特注で製作したかったのですが、
まず、鋳型の見本となる木製の原型を
彫り師の職人さんに彫っていただくだけで、
約40万円かかります。
そして、そこからオリジナルの型を起こして
鋳型を作るのに、50~70万円・・・。
職人さんの質にこだわると、
さらに高額になってしまいます。
予算に限りある中での今回の独立。
オリジナルの型は諦めざるを得ませんでしたが、
将来余裕ができたら、ぜひ、日本一男前な
鯛の鋳型でたい焼きを焼こうと思います。
そんなわけで、既存の型の中から選んだのですが、
いわゆる薄っぺらい薄焼きたい焼きとは違う、
”懐の深い男前”の型にしたのです。
そして、最初の一匹を焼いてみました。

新品の型は、油が染み込まず、
焼きあがっても型から出てこなかったり、
火の通りが不均一だったり。
最初の一匹、といっても、
この子の前に、2・3匹、
型を慣らすための
”たい焼きになれなかった子たち”
がいてくれたからこそ、
こうやって男前が生まれてきてくれたのです。
僕は、どうしてもこの子達を
処分することが出来なくて、
今朝一番、ほうじ茶と一緒にいただきました。
これが、最高の供養になりますように、
次はおいしいたい焼きになって世に出ますように、
たい焼きは生きた農作物や家畜などではなく、
すでに収穫された穀類などを使って作るものですが、
僕たち職人が食べ物としての息吹を与えることで、
食べ物としての命が灯ると、僕は考えています。
僕にとっては、大げさかもしれませんが、
子ども同様の存在です。
僕は、”食べもの”と”食べられるもの”は
まったく別物と考えています。
僕の修行した浪花家のしおりに、
「真心のこもっていない料理は、食べ物ではなくエサである。」
という土井勝氏のお言葉があります。
まったく同感です。
これは、およげ!たい焼きくんのモデルにもなった、
浪花家3代目に、入門2日目にいただいたお言葉でもあり、
これが僕のたい焼き職人として
一番大切にしている言葉です。
かの和食の大家、道場六三郎さんも同じことをおっしゃっています。
『技術(わざ)も無い、知恵も無い、
あるのはただ、愛情だけ』
(一言一句同じ、かどうか自信がありませんが、
このお言葉であったと記憶しております。)
もちろん、先生が技術が無いわけがありません。
素材やその他知識に関しても熟知されてらっしゃるでしょう。
これは、いくら腕が上がろうと、
素材や技術が第一義にくるのではなく、
料理人の愛こそ最も大切なのだ、と
ただただ強調されていらっしゃるのだと思います。
たい焼き職人として、
この最初の一匹が出てきたことを忘れることなく、
思いの詰まった、日本の文化の詰まった、
鎌倉らしいたい焼きを、
僕はいつまでも焼き続けたいと想う。
ついに・・・
注文していた
たい焼き用の鋳型が完成しました!!
厨房屋さん用語では、
『たい焼き本職用』
今では”天然物”一丁焼き用の
たい焼き職人も少なくなったので、
焼き台と鋳型も注文から完成まで
しばらく時間がかかります。
本当は、なみへいオリジナルの鋳型を
特注で製作したかったのですが、
まず、鋳型の見本となる木製の原型を
彫り師の職人さんに彫っていただくだけで、
約40万円かかります。
そして、そこからオリジナルの型を起こして
鋳型を作るのに、50~70万円・・・。
職人さんの質にこだわると、
さらに高額になってしまいます。
予算に限りある中での今回の独立。
オリジナルの型は諦めざるを得ませんでしたが、
将来余裕ができたら、ぜひ、日本一男前な
鯛の鋳型でたい焼きを焼こうと思います。
そんなわけで、既存の型の中から選んだのですが、
いわゆる薄っぺらい薄焼きたい焼きとは違う、
”懐の深い男前”の型にしたのです。
そして、最初の一匹を焼いてみました。

新品の型は、油が染み込まず、
焼きあがっても型から出てこなかったり、
火の通りが不均一だったり。
最初の一匹、といっても、
この子の前に、2・3匹、
型を慣らすための
”たい焼きになれなかった子たち”
がいてくれたからこそ、
こうやって男前が生まれてきてくれたのです。
僕は、どうしてもこの子達を
処分することが出来なくて、
今朝一番、ほうじ茶と一緒にいただきました。
これが、最高の供養になりますように、
次はおいしいたい焼きになって世に出ますように、
たい焼きは生きた農作物や家畜などではなく、
すでに収穫された穀類などを使って作るものですが、
僕たち職人が食べ物としての息吹を与えることで、
食べ物としての命が灯ると、僕は考えています。
僕にとっては、大げさかもしれませんが、
子ども同様の存在です。
僕は、”食べもの”と”食べられるもの”は
まったく別物と考えています。
僕の修行した浪花家のしおりに、
「真心のこもっていない料理は、食べ物ではなくエサである。」
という土井勝氏のお言葉があります。
まったく同感です。
これは、およげ!たい焼きくんのモデルにもなった、
浪花家3代目に、入門2日目にいただいたお言葉でもあり、
これが僕のたい焼き職人として
一番大切にしている言葉です。
かの和食の大家、道場六三郎さんも同じことをおっしゃっています。
『技術(わざ)も無い、知恵も無い、
あるのはただ、愛情だけ』
(一言一句同じ、かどうか自信がありませんが、
このお言葉であったと記憶しております。)
もちろん、先生が技術が無いわけがありません。
素材やその他知識に関しても熟知されてらっしゃるでしょう。
これは、いくら腕が上がろうと、
素材や技術が第一義にくるのではなく、
料理人の愛こそ最も大切なのだ、と
ただただ強調されていらっしゃるのだと思います。
たい焼き職人として、
この最初の一匹が出てきたことを忘れることなく、
思いの詰まった、日本の文化の詰まった、
鎌倉らしいたい焼きを、
僕はいつまでも焼き続けたいと想う。
by taiyaki-namihei
| 2009-12-20 15:31
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