年末年始のお知らせ & なみへいと、食のコラム2011年末。
おはようございます!
鎌倉 一丁焼き たい焼き なみへい 濱田紳吾です。
本日は年末年始の営業準備のため、
臨時休業とさせていただきます。
ご了承ください。
年末年始の営業のご案内。
なお、
お正月三が日、
ベーカリー部メニューは
・焼きピロシキ
・ベーグルドーナツ
・ベーグル
・玄米パン
・竹炭パン
・シナモンロール
を販売予定。
お弁当はお休みです。
たい焼きは
・つぶしあん
・抹茶あん
・黒ゴマあん
・焼き栗あん
の定番あんこに加え、
を、リバイバル発売いたします!
サンガニチ限定・各日100匹ずつ・¥200です。
2009年の大晦日、
なみへいプレオープン時に一日だけ登場した
幻のたい焼き。
つぶしあんのたい焼きのなかに、
お豆腐で練り上げたつるっとした白玉が二つ。
しかも紅色の白玉は、生いちごを練りこんで、
いちご味に仕上げます!
今思えば、
完全に無謀なことしたなぁ・・・。
と、あの日の僕を諭してあげたいくらい、
手間がかかりますが・・・
おいしいんですよ!
これぞ縁起物!
なみへいからのお年玉です。
くりさんと二人でがんばって焼いてみせましょう!
(実はなみへいには2台、たい焼きの台があります。
お正月は二人で焼くことになりそうですね。)
一丁焼きで、
丁寧に作られた紅白の白玉で・・・
世界中でなみへいだけのオリジナルたい焼きです!
初詣がてら、ぜひお越しくださいませ。
さてさて。
好評いただいておりましたお弁当、
突然の休止宣言で、
いろいろな方から
無念のリクエストをいただきました・・・。
ブログのコメントも・・・
ありがとうございます。
色々と案を練ってみました・・。
せっかく楽しみにしてくださった方々に申し訳ないので、
当面、2月上旬までは
お弁当の形式を変えて、
さっそく明日より
スープセットとしてお出ししようと思います。
★メイン 3種類よりお選びください。
・フォカッチャ
・ピザ
・梅酢入りごま塩玄米おにぎり 2個
★今日のデリサラダ
★今日のスープ
以上のセットで¥600です。
スープの単品売りもいたします。
今年も残すところ、あと4日となりました。
日本・・・
について、色々考えさせられました。
昨日、ラジオを聴いておりました。
ap bankの監事、田中優さんのインタビューで、
「”就活自殺”という悲しい言葉があるそうですが、
就活に失敗して嘆くくらいなら、自然エネルギーを一緒につくろうよ!」
とおっしゃっていました。
人は、・・・
自分のためにのみ生きるようになってしまうと、
生きるエネルギーが
枯渇してしまうのだ、
ということを・・・。
最近の・・・
理解を超えた陰湿な青少年の事件を見ていると、
10代・20代が加害者ですから・・・。
生きるエネルギーとはどこからくるのか・・・
それを中々実感しづらい日本の状況は深刻で、
若輩で自分自身の反省も多い僕ですが、
未来の日本のために、
たくさん働きかけるべきことがあるんじゃないかと、
考えている今年の年末です。
最近、パートナーのヨーコさんに薦められて、
読んだ本があります。
それは、
アジアの貧困国の子供たちを支援している、
NPO法人代表の池間 哲郎氏の著作、
”あなたの夢はなんですか?
私の夢は大人になるまで生きることです”
そのタイトルがあまりに痛切ですが・・・
フィリピンのごみの山で生活する少女から、
池間さんが実際に聞いて、
NPOを立ち上げるきっかけになった言葉です。
ぜひ、ご覧ください。
http://www.dreamroad.biz/person/0050/index.html
沖縄在住の池間さんは、
実際にそのような世界の貧困状況で生活している
子供たちと生活をともにしてみなければ、
実感できないことがあるだろう、と
モンゴルではマンホールチルドレンたちと
マンホールの中で暮らし、
ゴキブリやネズミに耳をかじられる思いをされたり、
フィリピンのごみの山で生活する子供たちと
寝食をともにされた方です。
フィリピンのごみの山に暮らす子どもたちは、
靴も履けず、食べるものもままならず、
破傷風や飢餓が原因で、
15歳までに三分の二の子どもたちが、
亡くなってしまうのだそうです。
僕が印象的だったエピソードとして。
せめて一日だけでも、子どもたちにおなかいっぱい食べさせたい、
と、岩間さんがみんなをピクニックに誘い、
お昼ごはんにお弁当を差し出したそうです。
みんな、もちろん大喜びしたんですが・・・
誰一人、食べようとしなかった。
「これをもって帰ってもいいですか?・・・
こんなご馳走、見たことないから。
だから・・・
家で、お父さんとお母さんと・・・
みんなで食べたいから。」
その子たちはみんな、お弁当箱を
まるで宝箱のように持ち帰り・・・
そのたった一人前のお弁当を
貧しい大家族で分け合って
素敵な夜を過ごしたそうです。
そんな境遇にあって
なお家族と思いをシェアする
その子どもたちの話に感動し、
生きるエネルギーをいただきました。
そうなんです。
岩間さんが伝えたいのは、
日本の子どもたちに
もっと生きるエネルギーと
感謝の気持ちを持って欲しい、
ということなのです。
その現状を通じてその事を伝えようと、
講演会を各地で開かれている氏は、
最後に日本の子どもたちに説いています。
「一生懸命生きることが、一番のボランティアだよ。」
僕らは、今すぐに、彼らの元へ行って、
ボランティア活動をしたり、ご飯をつくったり、
もどかしいけれど、できません。
しかし、
そこに無力を感じるのでなく、
与えられた命と環境を、
精一杯に生きることはできるのです。
そして、
日々精一杯生きていると、
きっとなにか
そういった様々な投げかけられた問題に
アプローチできるようなことが
おきてくると、
僕は信じています。
急には私たちの人生や
地球上の惨状、
旧態依然とした物事のあり方は、
変わりません、残念ながら。
そこで、
諦めてしまうのが人間の弱さであり、
気の短さであり・・・
人の一生は
そんなに長くないので、
仕方ないのかもしれませんが
それでもその分、
地球は明らかに狭くなっているし、
日本も変わろうとしている、
その過渡期というか黎明期だと思います。
それにしても・・・
地球上の人間の
「食べる」・・
という営みは
すごいことだと思います。
だから僕は、
飲食という道を選んだのだと
思います。
食を通じて生きるエネルギーを問う映画、
”eatrip”の監督、
野村友里さんは
”価値観を共有することは、生きるエネルギーを得ること”
と、ある雑誌のインタビューで語っておられました。
なみへいでは、
今年のGW以降、”食事”である
お弁当を販売してきました。
手焼きのたい焼き屋のお弁当であるにもかかわらず、
世界各国料理の紹介のような
お弁当スタイルを不思議に思われた方もいらしたでしょう。
実はそれにはワケがありまして・・・
(ちょっと、ここからディープな話ですがご了承ください。)
なみへいを僕と一緒にやっているヨーコさん、
つまり、弁当の調理人は、
大学時代、文化人類学を専攻し、
世界の食文化を学び、
一方で、アジアの調理法の中心となる
中華料理の基礎を勉強し、
十代後半よりインド料理や
アジアのエスニック料理、アラブ・アフリカンなどなど・・・
地球上の色々な食文化と料理を学んできた人間です。
「経済格差も経済学も・・・・
すべては人間の食と農業から・・・」
というのが彼女の考え。
「なぜ、そんなにスパイスとかインド料理に詳しいのですか?」
七年前に僕が出会ったときに質問すると、
彼女は真顔で
「いつか、インドでレトルトカレーの工場を作ろうと思っているのよ。」
と答えが返ってきました。
「インドでは、5歳から8歳くらいまでの女の子たちが
三千円から五千円で売られて、
売春宿で一日三十人もの男の相手をさせられるのよ。
タイではね・・・逆に生理が始まった11歳から13歳くらいの女の子が
売られていくの。大体、五千円から七千円くらいで。
色々なNPO法人が現地の民芸品を紹介する活動などをしているけれども
私は、日本人が毎日食べそうなものを商売にしたほうが
現実的だし、この国日本の手軽なインスタントや
レトルト食品はそのうち、化学調味料だらけになるでしょ?
炒め玉ねぎをじっくり時間をかけてカレーを作るなんて、
しなくなるでしょうから。
経済的な悲劇はないにしても、
”エサ”をついばむ国に成り下がる悲劇はあるわけで・・・。
私はね、
昔、宝石専門の商社に勤めていて、
宝石などを販売して、現地の人を救う方法もあるかもしれないと
考えたりもしたけれど、第一、私自身、
山をどんどん切り崩して作るジュエリーに
関心がもてないし・・・
それに、
富裕国の人のために奴隷のように
岩盤を採掘したり・・・
奴隷がお姫様にささげるために
作られたなにかで支援するという形に
エネルギーとやりがいを継続的に持ち続けることはできないから。」
七年前に、はじめてこう聞いたときは
僕も面食らったし、
確かにそうだな、と思ったが、
大学2年生の僕には、
直接的な関係性を正直見出せなかった。
そして、
それから数年後、
彼女は娘を独り引き取って、
離婚して、
「私、インドに下見にでも行こうかしら!?」
と、言っているのを聞いて、
「この人は、本気なんだ、サムライだなぁ・・・」
(不思議とナデシコとは思わなかった・・・。)
と僕は思った。
離婚して金銭的に大変だった彼女ではあるが、
それ以上に
”この先生きる意味”
と、どう仕事をして
”生きるエネルギーを確保し、循環させるか”
という問題に直面し心底悩んでいた。
「世間の名目上からいうと、
娘のために今後がんばります、ということなんでしょうけれど、
それだけじゃがんばれないし、そう思われた娘も
時に迷惑でしょうから。」
とりあえず、
インド人の経営する宝石用の石を扱う
輸入商に就職しながら、
料理のスポットの仕事も請けながら、
離婚後の再スタートを切っていた彼女に
本格的な飲食関係のオファーもなかったわけではないが、
従来の飲食業態で働き続けることをせず、
彼女は心に目標を秘め、
ひたすら厳しい日々を乗り切っていた。
そして、
飲食業の人間として、
そのセンスと能力は非常に頼りない僕ではあるが・・・
こうやって、
飲食という形でともに二人で活動している。
僕と彼女は、
たい焼きに固執して、一丁焼きのたい焼きとか、
天然酵母うんぬんとか、ベジがどうとか・・・
そういう感じの食のこだわりとは
かなり無縁な感覚で
なみへいを運営していて。
食の小さきにこだわるのは、
一部の人のちっぽけなアイデンティティを満足させるだけで、
永続的なエネルギーはない・・・
そういう飲食は、今後持ちこたえるのが大変だろうし、
必要でなくなるであろう。
少なくとも、わざわざ消費社会の中で
自分たちがやることじゃないし、
そんな財力も持ち合わせていないし・・・。
彼女の離婚後、残ったわずかな貯金と
国民金融公庫から借りた借金で、
なんとか開業にこぎつけた、たい焼きなみへい。
手焼きのたい焼き屋、というスタイルをとって、
食べ物を通じた生きるエネルギーのシェアを訴えたい!
と、僕の若さだけでなんとかがむしゃらに
この2年、鎌倉でやらせていただき、
僕もお客様にずいぶん生きる力をいただきました。
今年のコラムの集大成として、
この”たい焼きなみへい”という飲食店を開業し、
食を通じて、エネルギーの共有を皆様とできましたこと、
ありがたく思っております。
そして、
一丁焼きのたい焼きとして、色々な方と出会えたことは
とてもラッキーだと思っておりますが
と同時に、
もともと我がパートナー、
ヨーコさんがやろうとしていた、
活動を封印したわけではありません。
彼女は、
そういった貧困国と呼ばれ、
問題を抱えている国々の・・・
今、資本主義経済中心の価値観の中で、
そうなってしまっている国々に・・・・
代々伝わってきた日常に根付いた、
あるいは生活そのものの、
素晴らしき食文化を・・・・
私たちの生活の中に、
素敵なスパイスのように
紹介したいと考えている。
それを飲食業というビジネス形態に
持続可能な形で紹介し続け、
それらの国々が貧困という理由だけで、
決して見下されないような配慮とともに・・・
そこ得られた利益の一部が
諸問題の解決のため還元され・・・
それは決して・・・
安っぽい同情で行われるドネーション行為ではなく、
その・・・
素晴らしき文化に対する敬意と
今、この世界情勢の中、
ハンディを負わされているものの・・・
それでも・・・
生きるエネルギーの素晴らしさを示してくれた、
困難な状況の現地の人々へ
尊敬の念を込めたお礼というか・・・。
たとえば、先の例に出した
タイの売られていった女の子の多くが
エイズに感染し、最終的に座敷牢のようなところで
最期を迎える。
でも、そのときに、
「でもね、これは大好きなお父さんとお母さんのためだから。」
と。
実際、インドの売春街から命からがら逃げ出してきた
女性のかなりが、
「こんなことが続いてはいけない」
と、人身売買の救出活動をする側に回るそうだ。
自分の将来を杞憂して、何もできなくなってしまう
今の日本の若者と・・・
あまりに対照的なそのエネルギー。
生きるエネルギーと生きる意味・・・。
僕も自分だけのためになにか・・・
と考えて、きっといつか燃え尽きるなり、
目標がなくなってしまうだろうけれど
人のために働きかける、役に立つこともある
エネルギーが共有できると思うから
明日がくるのが待ち遠しい。
ヨーコさんが離婚後、
「”自分のためだけ”は生きられない、
生きる力が沸いてこない」
と言っていたのが、
今はよくわかる。
彼女と僕は、
いずれ、世界の”ご馳走”ではなく、
世界の、日常の気取りない食を・・・
紹介するカフェやデリを運営しようね、
そしてその売り上げの一部を
有意義に寄付しよう!
と、なみへいを開業する前から言っていた。
(とりあえず、インドでカレー工場を・・・
というのは今は白紙で・・・です)
そのほんの紹介部分を
この半年間、なみへいのお弁当という形で
やらせていただいた次第です。
一回一回お茶会のように
そのお弁当にはテーマがあるものにしたい。
というのが彼女の理想でしたが、
なかなか2年目のなみへい、という状況の中で、
僕と彼女はしょっちゅうケンカしながら、
何とか続けてきたという情けない始末です。
しかし、
僕は思います。
くりさんというベテランのたい焼き職人さんも
参加してくれたことですし、
なみへいをここでしっかりさせて、
また、
ヨーコさんしかできない、
食文化を紹介しながら
世界の普通の贅沢を・・・
私たちの生きるエネルギーに変えるという、
彼女が神様にもらった仕事をできるように
来年は、なみへい、もう一歩前進したいと思っております。
そのために、男で店主の僕が
若いエネルギッシュな力をもっと発揮しなくては、と
反省の多い一年でございました。
僕にとって、
くりさんという素晴らしいたい焼き職人さんが
なみへいに加わってくださったのは天の助けだと思いますし・・・
実は、くりさんも大学時代に
ゼミの研究テーマとして、東南アジアの諸問題を
視察して回った、というからその偶然に驚いています。
長くなりましたが・・・
『お弁当、なくなっちゃうんですか!?』
という、ありがたいお問い合わせやコメントを
いただきまして、
普段中々お伝えできない
なみへいの思い、特にお弁当に込めた思いは
こうなんだよ、ということを
書かせていただき、
それによって、僕ら二人の食に対する思いを
綴りました。
残り数日ですが・・・
今年もありがとうございました。
年末年始も皆様お忙しいことと思いますが、
なみへい元気に営業しております!
どうぞ、お立ち寄りください。
それでは!
鎌倉 一丁焼き たい焼き なみへい 濱田紳吾です。
本日は年末年始の営業準備のため、
臨時休業とさせていただきます。
ご了承ください。
年末年始の営業のご案内。
12/27(火)臨時休業
12/28-30まで、通常営業。
12/31(土) 休業(仕込み&大掃除です。)
明けて
1/1~1/9(月・祝)まで、休まず営業いたします。
なお、
お正月三が日、
ベーカリー部メニューは
・焼きピロシキ
・ベーグルドーナツ
・ベーグル
・玄米パン
・竹炭パン
・シナモンロール
を販売予定。
お弁当はお休みです。
たい焼きは
・つぶしあん
・抹茶あん
・黒ゴマあん
・焼き栗あん
の定番あんこに加え、
☆ 紅白!白玉入り たい焼き
を、リバイバル発売いたします!
サンガニチ限定・各日100匹ずつ・¥200です。
2009年の大晦日、
なみへいプレオープン時に一日だけ登場した
幻のたい焼き。
つぶしあんのたい焼きのなかに、
お豆腐で練り上げたつるっとした白玉が二つ。
しかも紅色の白玉は、生いちごを練りこんで、
いちご味に仕上げます!
今思えば、
完全に無謀なことしたなぁ・・・。
と、あの日の僕を諭してあげたいくらい、
手間がかかりますが・・・
おいしいんですよ!
これぞ縁起物!
なみへいからのお年玉です。
くりさんと二人でがんばって焼いてみせましょう!
(実はなみへいには2台、たい焼きの台があります。
お正月は二人で焼くことになりそうですね。)
一丁焼きで、
丁寧に作られた紅白の白玉で・・・
世界中でなみへいだけのオリジナルたい焼きです!
初詣がてら、ぜひお越しくださいませ。
さてさて。
好評いただいておりましたお弁当、
突然の休止宣言で、
いろいろな方から
無念のリクエストをいただきました・・・。
ブログのコメントも・・・
ありがとうございます。
色々と案を練ってみました・・。
せっかく楽しみにしてくださった方々に申し訳ないので、
当面、2月上旬までは
お弁当の形式を変えて、
さっそく明日より
スープセットとしてお出ししようと思います。
★メイン 3種類よりお選びください。
・フォカッチャ
・ピザ
・梅酢入りごま塩玄米おにぎり 2個
★今日のデリサラダ
★今日のスープ
以上のセットで¥600です。
スープの単品売りもいたします。
今年も残すところ、あと4日となりました。
日本・・・
について、色々考えさせられました。
昨日、ラジオを聴いておりました。
ap bankの監事、田中優さんのインタビューで、
「”就活自殺”という悲しい言葉があるそうですが、
就活に失敗して嘆くくらいなら、自然エネルギーを一緒につくろうよ!」
とおっしゃっていました。
人は、・・・
自分のためにのみ生きるようになってしまうと、
生きるエネルギーが
枯渇してしまうのだ、
ということを・・・。
最近の・・・
理解を超えた陰湿な青少年の事件を見ていると、
10代・20代が加害者ですから・・・。
生きるエネルギーとはどこからくるのか・・・
それを中々実感しづらい日本の状況は深刻で、
若輩で自分自身の反省も多い僕ですが、
未来の日本のために、
たくさん働きかけるべきことがあるんじゃないかと、
考えている今年の年末です。
最近、パートナーのヨーコさんに薦められて、
読んだ本があります。
それは、
アジアの貧困国の子供たちを支援している、
NPO法人代表の池間 哲郎氏の著作、
”あなたの夢はなんですか?
私の夢は大人になるまで生きることです”
そのタイトルがあまりに痛切ですが・・・
フィリピンのごみの山で生活する少女から、
池間さんが実際に聞いて、
NPOを立ち上げるきっかけになった言葉です。
ぜひ、ご覧ください。
http://www.dreamroad.biz/person/0050/index.html
沖縄在住の池間さんは、
実際にそのような世界の貧困状況で生活している
子供たちと生活をともにしてみなければ、
実感できないことがあるだろう、と
モンゴルではマンホールチルドレンたちと
マンホールの中で暮らし、
ゴキブリやネズミに耳をかじられる思いをされたり、
フィリピンのごみの山で生活する子供たちと
寝食をともにされた方です。
フィリピンのごみの山に暮らす子どもたちは、
靴も履けず、食べるものもままならず、
破傷風や飢餓が原因で、
15歳までに三分の二の子どもたちが、
亡くなってしまうのだそうです。
僕が印象的だったエピソードとして。
せめて一日だけでも、子どもたちにおなかいっぱい食べさせたい、
と、岩間さんがみんなをピクニックに誘い、
お昼ごはんにお弁当を差し出したそうです。
みんな、もちろん大喜びしたんですが・・・
誰一人、食べようとしなかった。
「これをもって帰ってもいいですか?・・・
こんなご馳走、見たことないから。
だから・・・
家で、お父さんとお母さんと・・・
みんなで食べたいから。」
その子たちはみんな、お弁当箱を
まるで宝箱のように持ち帰り・・・
そのたった一人前のお弁当を
貧しい大家族で分け合って
素敵な夜を過ごしたそうです。
そんな境遇にあって
なお家族と思いをシェアする
その子どもたちの話に感動し、
生きるエネルギーをいただきました。
そうなんです。
岩間さんが伝えたいのは、
日本の子どもたちに
もっと生きるエネルギーと
感謝の気持ちを持って欲しい、
ということなのです。
その現状を通じてその事を伝えようと、
講演会を各地で開かれている氏は、
最後に日本の子どもたちに説いています。
「一生懸命生きることが、一番のボランティアだよ。」
僕らは、今すぐに、彼らの元へ行って、
ボランティア活動をしたり、ご飯をつくったり、
もどかしいけれど、できません。
しかし、
そこに無力を感じるのでなく、
与えられた命と環境を、
精一杯に生きることはできるのです。
そして、
日々精一杯生きていると、
きっとなにか
そういった様々な投げかけられた問題に
アプローチできるようなことが
おきてくると、
僕は信じています。
急には私たちの人生や
地球上の惨状、
旧態依然とした物事のあり方は、
変わりません、残念ながら。
そこで、
諦めてしまうのが人間の弱さであり、
気の短さであり・・・
人の一生は
そんなに長くないので、
仕方ないのかもしれませんが
それでもその分、
地球は明らかに狭くなっているし、
日本も変わろうとしている、
その過渡期というか黎明期だと思います。
それにしても・・・
地球上の人間の
「食べる」・・
という営みは
すごいことだと思います。
だから僕は、
飲食という道を選んだのだと
思います。
食を通じて生きるエネルギーを問う映画、
”eatrip”の監督、
野村友里さんは
”価値観を共有することは、生きるエネルギーを得ること”
と、ある雑誌のインタビューで語っておられました。
なみへいでは、
今年のGW以降、”食事”である
お弁当を販売してきました。
手焼きのたい焼き屋のお弁当であるにもかかわらず、
世界各国料理の紹介のような
お弁当スタイルを不思議に思われた方もいらしたでしょう。
実はそれにはワケがありまして・・・
(ちょっと、ここからディープな話ですがご了承ください。)
なみへいを僕と一緒にやっているヨーコさん、
つまり、弁当の調理人は、
大学時代、文化人類学を専攻し、
世界の食文化を学び、
一方で、アジアの調理法の中心となる
中華料理の基礎を勉強し、
十代後半よりインド料理や
アジアのエスニック料理、アラブ・アフリカンなどなど・・・
地球上の色々な食文化と料理を学んできた人間です。
「経済格差も経済学も・・・・
すべては人間の食と農業から・・・」
というのが彼女の考え。
「なぜ、そんなにスパイスとかインド料理に詳しいのですか?」
七年前に僕が出会ったときに質問すると、
彼女は真顔で
「いつか、インドでレトルトカレーの工場を作ろうと思っているのよ。」
と答えが返ってきました。
「インドでは、5歳から8歳くらいまでの女の子たちが
三千円から五千円で売られて、
売春宿で一日三十人もの男の相手をさせられるのよ。
タイではね・・・逆に生理が始まった11歳から13歳くらいの女の子が
売られていくの。大体、五千円から七千円くらいで。
色々なNPO法人が現地の民芸品を紹介する活動などをしているけれども
私は、日本人が毎日食べそうなものを商売にしたほうが
現実的だし、この国日本の手軽なインスタントや
レトルト食品はそのうち、化学調味料だらけになるでしょ?
炒め玉ねぎをじっくり時間をかけてカレーを作るなんて、
しなくなるでしょうから。
経済的な悲劇はないにしても、
”エサ”をついばむ国に成り下がる悲劇はあるわけで・・・。
私はね、
昔、宝石専門の商社に勤めていて、
宝石などを販売して、現地の人を救う方法もあるかもしれないと
考えたりもしたけれど、第一、私自身、
山をどんどん切り崩して作るジュエリーに
関心がもてないし・・・
それに、
富裕国の人のために奴隷のように
岩盤を採掘したり・・・
奴隷がお姫様にささげるために
作られたなにかで支援するという形に
エネルギーとやりがいを継続的に持ち続けることはできないから。」
七年前に、はじめてこう聞いたときは
僕も面食らったし、
確かにそうだな、と思ったが、
大学2年生の僕には、
直接的な関係性を正直見出せなかった。
そして、
それから数年後、
彼女は娘を独り引き取って、
離婚して、
「私、インドに下見にでも行こうかしら!?」
と、言っているのを聞いて、
「この人は、本気なんだ、サムライだなぁ・・・」
(不思議とナデシコとは思わなかった・・・。)
と僕は思った。
離婚して金銭的に大変だった彼女ではあるが、
それ以上に
”この先生きる意味”
と、どう仕事をして
”生きるエネルギーを確保し、循環させるか”
という問題に直面し心底悩んでいた。
「世間の名目上からいうと、
娘のために今後がんばります、ということなんでしょうけれど、
それだけじゃがんばれないし、そう思われた娘も
時に迷惑でしょうから。」
とりあえず、
インド人の経営する宝石用の石を扱う
輸入商に就職しながら、
料理のスポットの仕事も請けながら、
離婚後の再スタートを切っていた彼女に
本格的な飲食関係のオファーもなかったわけではないが、
従来の飲食業態で働き続けることをせず、
彼女は心に目標を秘め、
ひたすら厳しい日々を乗り切っていた。
そして、
飲食業の人間として、
そのセンスと能力は非常に頼りない僕ではあるが・・・
こうやって、
飲食という形でともに二人で活動している。
僕と彼女は、
たい焼きに固執して、一丁焼きのたい焼きとか、
天然酵母うんぬんとか、ベジがどうとか・・・
そういう感じの食のこだわりとは
かなり無縁な感覚で
なみへいを運営していて。
食の小さきにこだわるのは、
一部の人のちっぽけなアイデンティティを満足させるだけで、
永続的なエネルギーはない・・・
そういう飲食は、今後持ちこたえるのが大変だろうし、
必要でなくなるであろう。
少なくとも、わざわざ消費社会の中で
自分たちがやることじゃないし、
そんな財力も持ち合わせていないし・・・。
彼女の離婚後、残ったわずかな貯金と
国民金融公庫から借りた借金で、
なんとか開業にこぎつけた、たい焼きなみへい。
手焼きのたい焼き屋、というスタイルをとって、
食べ物を通じた生きるエネルギーのシェアを訴えたい!
と、僕の若さだけでなんとかがむしゃらに
この2年、鎌倉でやらせていただき、
僕もお客様にずいぶん生きる力をいただきました。
今年のコラムの集大成として、
この”たい焼きなみへい”という飲食店を開業し、
食を通じて、エネルギーの共有を皆様とできましたこと、
ありがたく思っております。
そして、
一丁焼きのたい焼きとして、色々な方と出会えたことは
とてもラッキーだと思っておりますが
と同時に、
もともと我がパートナー、
ヨーコさんがやろうとしていた、
活動を封印したわけではありません。
彼女は、
そういった貧困国と呼ばれ、
問題を抱えている国々の・・・
今、資本主義経済中心の価値観の中で、
そうなってしまっている国々に・・・・
代々伝わってきた日常に根付いた、
あるいは生活そのものの、
素晴らしき食文化を・・・・
私たちの生活の中に、
素敵なスパイスのように
紹介したいと考えている。
それを飲食業というビジネス形態に
持続可能な形で紹介し続け、
それらの国々が貧困という理由だけで、
決して見下されないような配慮とともに・・・
そこ得られた利益の一部が
諸問題の解決のため還元され・・・
それは決して・・・
安っぽい同情で行われるドネーション行為ではなく、
その・・・
素晴らしき文化に対する敬意と
今、この世界情勢の中、
ハンディを負わされているものの・・・
それでも・・・
生きるエネルギーの素晴らしさを示してくれた、
困難な状況の現地の人々へ
尊敬の念を込めたお礼というか・・・。
たとえば、先の例に出した
タイの売られていった女の子の多くが
エイズに感染し、最終的に座敷牢のようなところで
最期を迎える。
でも、そのときに、
「でもね、これは大好きなお父さんとお母さんのためだから。」
と。
実際、インドの売春街から命からがら逃げ出してきた
女性のかなりが、
「こんなことが続いてはいけない」
と、人身売買の救出活動をする側に回るそうだ。
自分の将来を杞憂して、何もできなくなってしまう
今の日本の若者と・・・
あまりに対照的なそのエネルギー。
生きるエネルギーと生きる意味・・・。
僕も自分だけのためになにか・・・
と考えて、きっといつか燃え尽きるなり、
目標がなくなってしまうだろうけれど
人のために働きかける、役に立つこともある
エネルギーが共有できると思うから
明日がくるのが待ち遠しい。
ヨーコさんが離婚後、
「”自分のためだけ”は生きられない、
生きる力が沸いてこない」
と言っていたのが、
今はよくわかる。
彼女と僕は、
いずれ、世界の”ご馳走”ではなく、
世界の、日常の気取りない食を・・・
紹介するカフェやデリを運営しようね、
そしてその売り上げの一部を
有意義に寄付しよう!
と、なみへいを開業する前から言っていた。
(とりあえず、インドでカレー工場を・・・
というのは今は白紙で・・・です)
そのほんの紹介部分を
この半年間、なみへいのお弁当という形で
やらせていただいた次第です。
一回一回お茶会のように
そのお弁当にはテーマがあるものにしたい。
というのが彼女の理想でしたが、
なかなか2年目のなみへい、という状況の中で、
僕と彼女はしょっちゅうケンカしながら、
何とか続けてきたという情けない始末です。
しかし、
僕は思います。
くりさんというベテランのたい焼き職人さんも
参加してくれたことですし、
なみへいをここでしっかりさせて、
また、
ヨーコさんしかできない、
食文化を紹介しながら
世界の普通の贅沢を・・・
私たちの生きるエネルギーに変えるという、
彼女が神様にもらった仕事をできるように
来年は、なみへい、もう一歩前進したいと思っております。
そのために、男で店主の僕が
若いエネルギッシュな力をもっと発揮しなくては、と
反省の多い一年でございました。
僕にとって、
くりさんという素晴らしいたい焼き職人さんが
なみへいに加わってくださったのは天の助けだと思いますし・・・
実は、くりさんも大学時代に
ゼミの研究テーマとして、東南アジアの諸問題を
視察して回った、というからその偶然に驚いています。
長くなりましたが・・・
『お弁当、なくなっちゃうんですか!?』
という、ありがたいお問い合わせやコメントを
いただきまして、
普段中々お伝えできない
なみへいの思い、特にお弁当に込めた思いは
こうなんだよ、ということを
書かせていただき、
それによって、僕ら二人の食に対する思いを
綴りました。
残り数日ですが・・・
今年もありがとうございました。
年末年始も皆様お忙しいことと思いますが、
なみへい元気に営業しております!
どうぞ、お立ち寄りください。
それでは!
by taiyaki-namihei
| 2011-12-27 13:48
| なみへいコラム
|
Comments(0)
カテゴリ
全体なみへいについて
なみへいのたい焼きについて
なみへいコラム
パンの通販
問わず語りのたい焼きにいさん
以前の記事
2023年 03月2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
フォロー中のブログ
なみへい情報
公式サイトはこちら
http://www.taiyaki-namihei.com/
月曜定休(祝日は翌日振り替え)
営業時間10:00~18:00
(7月・8月は不定期)
〒248-0016
神奈川県鎌倉市長谷1-8-10
℡0467-24-7900
江ノ島電鉄
由比ヶ浜駅徒歩3分
長谷駅徒歩5分
JR鎌倉駅より徒歩15分

詳細地図はこちらから
http://www.taiyaki-namihei.com/
月曜定休(祝日は翌日振り替え)
営業時間10:00~18:00
(7月・8月は不定期)
〒248-0016
神奈川県鎌倉市長谷1-8-10
℡0467-24-7900
江ノ島電鉄
由比ヶ浜駅徒歩3分
長谷駅徒歩5分
JR鎌倉駅より徒歩15分

詳細地図はこちらから
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
最新の記事
2023.03.26 |
at 2023-03-26 06:21 |
2023.03.25 文学館.. |
at 2023-03-25 07:11 |
2023.03.24 |
at 2023-03-24 07:25 |
2023.03.23 文学館.. |
at 2023-03-23 07:54 |
2023.03.22 コウタ.. |
at 2023-03-22 07:45 |